WORKNC 3軸荒加工
荒加工と再荒加工ツールパスは、多数あるWORKNCの基盤となる機能の1つです。生産性の高いCAMシステムWORKNCの荒加工は、加工時間を大幅に短縮できるツールとして提供されます。
WORKNCでは、高速加工用にエアカットを減少させ、リトラクトを制限し、コーナースムージングRを適用した荒加工ツールパスを作成できます。
一目でわかる特長
- 効率的なツールパス作成
- ダイナミックホルダー干渉回避
- 高速加工用のスムーズな動き
- ワンクリックでZ面の指定
- 広範囲の素材形状設定
- 任意方向からの素材認識可能なインテリジェント荒加工
WORKNCはダイナミックストックモデルを使って、削り残った素材を自動的に検出します。ダイナミックストック機能は、荒加工ツールパスをリアルタイムに更新し、工具長による干渉を減少させるために工具とホルダーを考慮することで加工の信頼性をさらに高めます。
高精度な素材形状の定義を行うことで、高品質で効率的な荒加工ツールパスを作成できます。WORKNCには、素材形状の設定方法が5種類(シンプルソリッド、ユーザー定義ソリッド、シリンダーブロック、鋳物形状、CADモデル)あります。組合せを含むあらゆる素材形状の定義が可能です。
ヴェロソフトウェアは、再荒加工ツールパスの効率性の改善に常に取り組んでいます。WORKNCでは固定5軸を使ってアンダーカットを加工することができます。また、3Dストックモデルは体系的に更新されるため、徐々に工具を小さくしながら再荒加工を繰り返すことができます。
WORKNCには、滑らかな動きと加工ノウハウに基づき、自動的に最適化された加工条件を保証する幅広い種類の荒加工ツールパスがあります。これらはすべて工具やマシン寿命を延ばすだけでなく、WORKNCによる高性能な加工を実現するために構成された機能です。
グローバル荒加工/再荒加工
グローバル荒加工/再荒加工ツールパスは、常にストックモデル(パーツまたはブロック)から最適化された加工ツールパスを作成し、多くの場面で利用される主要な加工方法です。
このツールパスは、高速加工用にエアカットを減少させ、リトラクトを制限し、コーナースムージングRを適用しているだけでなく、平面を自動検出し素材の残り量にあった加工をするように設計されています。
グローバル再荒加工は、ダイナミックストックモデル管理機能を使って削り残りを自動的に検出します。
さらに、グローバル荒加工/再荒加工のXYピッチ制限 (工具直径の95%まで)やZピッチを設定できるため、1本のパスで大量のストックを切削することができます。また、最大スキャラップ量を調整することもできます。最初のステップ量は、各レベルにおける最初の切り込み時に、工具に過大な負荷がかからないような値が適用されます。この機能は、実際の素材形状が、想定された素材形状サイズと違う場合に有効です。
最適化されたこのツールパスは、生産性を大きく向上させることができます。
平面荒加工/再荒加工
ツールパス名が示しているように、平面の領域(残し量がゼロに近い場合でも)を加工するために設計された加工で、コーナー部においても小径のカッターを利用した加工が可能です。これは、傾斜壁上の削り残し部でさえも、自動的に認識することが可能です。
このツールパスは、一般的に最初の荒加工が終わった後、特にグローバル荒加工の後の加工として非常に適しています。形状輪郭上で使用した前の加工と同じ工具を利用することが可能ですが、平面とその壁の加工だけに集中し、最適化された動きと均一な送り速度になるだけでなく、傾斜アプローチを用い素材を除去するように設計されています。
トロコイド荒加工(硬素材向け)
トロコイド荒加工ツールパスは、硬い素材の加工やZピッチを大きく設定する場合の加工に適しています。
このツールパスは、ポケット形状やコーナー部分などの狭い領域に対して、工具の負荷に制限を持たせた加工をするように設計されているだけでなく、加工は工具の磨耗を抑えるダウンカットで行います。
また同じ工具および同じツールパスで、Zステップを小さくして再荒加工ツールパスの効果を上げることも可能です。
WORKNC のダイナミックストック機能と同時に利用すれば、最適化と生産性の向上を実現します。
スパイラルコア荒加工
スパイラルコア荒加工ツールパスは、コア形状の加工や外側から内側に加工する形状加工に最適です。この機能では、高い加工送り速度による、高硬度材の加工に有効です。
このツールパスは、各Zレベルをそれぞれ1本のパスで加工するため、非常にスムーズに仕上がります。
HVR突き荒加工
大型パーツ荒加工(HVR突き荒加工)は、革命的な荒加工ツールパスです。
HVR突き荒加工では、迅速に大量にストックを除去できる加工で、特に大きなワークに有効です。
このツールパスを使って加工時間が50%以上短縮できたという事例がWORKNCユーザー様からも報告されています。このツールパスは、特に古い加工機との組み合わせにおいて有効で、加工負荷はスピンドルにかかります。横方向の負荷を最小限にすることで工具のたわみが軽減されます。
加えて、通常の加工に比べ、大きなステップを利用した大量切削を実現できます。また、工具の種類や計算速度、仕上がりの品質に合わせ、3種類の加工動作を選択することも可能です。